紡ぎ|生前対策専門サイトhttps://seizen-taisaku.com家族信託、遺言書、財産管理、任意後見等の相談窓口Thu, 03 Apr 2025 09:53:47 +0000jahourly1https://seizen-taisaku.com/wp-content/uploads/2025/01/cropped-f5c2514c2c853e02c0607d38d04fb3ec-32x32.png紡ぎ|生前対策専門サイトhttps://seizen-taisaku.com3232 見守り契約と公正証書、後見、財産管理の関係https://seizen-taisaku.com/mimamori2/Thu, 03 Apr 2025 09:53:47 +0000https://seizen-taisaku.com/?p=392

見守り契約とは、一般的には、委任者(見守りをお願いする人)と受任者(見守りを行う人)が定期的な連絡及び面談等(見守り活動)を通じて、委任者の安否、生活状況及び心身の状況を把握することを目的とする準委任契約の一種です。 見 ...

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この記事を書いた人

司法書士 太田徹

(所属会)愛知県司法書士会 会員番号2133・簡裁訴訟代理等関係業務 認定番号第1801503号・一般社団法人日本財産管理協会


(経歴)20代から司法書士試験の勉強をしながら司法書士事務所で補助者業務に従事する。平成29年度に司法書士試験合格。愛知県岡崎市の司法書士法人で司法書士として4年間実務経験を積む。令和4年、すでに開業していた父の社会保険労務士事務所と合同という形で、太田合同事務所を開業。


(趣味)競馬観戦(ギャンブルはしません。昔社台ファームで働いていました)、サッカー観戦(セリエA、プレミア、Jリーグが好きです)、子供と遊ぶこと(娘が2人います)

見守り契約とは?

見守り契約とは、一般的には、委任者(見守りをお願いする人)と受任者(見守りを行う人)が定期的な連絡及び面談等(見守り活動)を通じて、委任者の安否、生活状況及び心身の状況を把握することを目的とする準委任契約の一種です。

見守り契約に関する記事を太田合同事務所の公式サイトで公開していますので、見守り契約の基本的なことを知りたい方は、そちらをご覧ください。

見守り契約は公正証書で作成すべき?

見守り契約のことは、ある程度理解できたかと思います。
見守り契約も法律上は、立派な契約ですので、契約書を作成する必要がありますが、この契約書は当事者間で結べば問題ないのでしょうか?

通常契約書を真実性の高いものにしたい場合には、公正証書で作成するのが一般的です。

公正証書とは、私人(個人又は会社その他の法人)からの嘱託により、公務員である公証人がその権限に基づいて作成する公文書のことです。
公文書は、文書の成立について真正であるとの強い推定(形式的証明力)が働きます。公証人が当事者の嘱託により作成した文書には、公正の効力が生じ、反証のない限り、完全な証拠力を有しております。このように公正証書は、極めて強力な証拠力を有しております。
引用元 公証役場HP

では、見守り契約書は公正証書によるべきなのでしょうか?
契約成立の要件という側面から見ると、見守り契約について公正証書で作成しなければならないという法律規定はないため、私文書(契約当事者間だけで作成した文書で第三者の証明がないもの)でもかまいません。

しかしながら、生前対策の一つである契約を公正証書で作成しないのはなんだか、心もとない気もします。

この点については、諸説言われていますが、基本的には私文書で問題ないかと思います。

見守り契約の性質上、契約当事者の状況に応じて、契約内容を変更する必要性が出てくることがあるため、いつでも契約内容を変更できる、私文書で作成することが実用性が高いと考えるからです。

公正証書で作成した場合、基本的には変更のたびに、公正証書を作成し直す必要性が出てきますので、費用や手間を考えると大変になってしまいます。

また見守り契約は、財産管理契約や遺言のように第三者から契約内容の真偽について確認をされることが少ない契約ですから、私文書であったとしても特段問題ないと思います。

上記のことを加味すると、私文書で作成することが契約当事者の方にとっては負担が少なく、最適なのではないかと考えています。

見守り契約と財産管理契約の関係性

見守り契約は、生前対策の一つですが、生前対策になりうる契約は、見守り契約以外にもあり、その一つが財産管理契約です。

見守り契約は、任意後見契約に付随する形で結ばれることが多いですが、財産管理契約や死後事務委任契約なども同じように任意後見契約に付随して契約されることがあります。

実務上は、見守り契約と財産管理等委任契約と一体となった公正証書にすることもあります。

見守り契約と財産管理契約に共通することとして、当事者の判断能力があるうちに契約を結ばなければいけないということと、当事者が認知症などで判断能力を失ったり、死亡した場合には、契約が終了するということです。

任意後見契約は発効するまでにタイムラグがあり、発効(任意後見の申立てを家庭裁判所にするタイミング)のタイミングを見極める必要がありますが、そこは、親族や施設の担当者、ヘルパーやケアマネジャーなどいつも本人の周りにいる方たちの判断ということになります。
この場合、見守り契約や財産管理契約の受任者の判断も含まれると思います。

見守り契約で継続的な本人の生活や健康状態を見ていますし、財産管理契約でご本人と財産に関するやり取りをしているため、金銭管理に関しての判断能力などもある程度継続的に把握することができるため、受任者の判断も重要な参考材料になるでしょう。

直接的に二つの契約が関係性を持つわけではありませんが、間接的に関与がすることが多いことは間違いありません。

見守り契約と成年後見制度

上記でも記載した通り、任意後見契約に付随する、あるいは任意後見を補完する契約として見守り契約等があります。
親族と任意後見契約をする場合は、見守り契約はしないことが多いでしょう。

見守り契約の趣旨は、当事者を継続的に見守ることによって、当事者の状態(健康状態、生活状態、財産管理状態など)を確認するためのものですので、ご本人を継続的に見守れるご家族がいれば、そもそも必要性は低いと言えます。

ですが何かしらのご事情で、ご本人を見守ることが難しい場合やそもそも見守りをしてくれる人がいない独り身の方などは必要性があると言えます。

実務上は、任意後見契約を結ぶ場合には、その効力が発生するまで任意後見受任者が関与しない、空白の期間が生じるという問題があることから、任意後見契約と同時に見守り契約を締結するのが通例です。

また単純に、任意後見の申立て時期のタイミングを見計らうという目的以外にも、本人と任意後見受任者との間に一定の関係を構築しておくことが期待できます。

見守り契約で面談等をするとなると、雑談もするわけで、その雑談のなかで実はご本人の価値観や希望などが垣間見えることもあり、そのような他愛もない会話や交流を通して、信頼関係が構築されていくと考えることもできるでしょう。

ちなみに法定後見は、認知症などの判断能力が無くなってからの話ですので、見守り契約と直接的な関係性はありません。

司法書士太田合同事務所からのアドバイス

見守り契約について解説していきました。
まだまだ認知度の低い契約ではありますが今後高齢化社会になり、独り身の方が増えるであろうことを考えるとより需要は増していく契約ではないかと思います。

当事務所でも見守り契約を結んでいる方はいますが、継続的にお会いしてコミュニケーションを取っていますので、その方にお会いする時は、遠い親戚のおじさん(おばさん)に会いに行くような気持ちでお会いしています。

実務で取り扱っていて思うことは、時間を重ねれば重ねるほど、その人のことは理解が深まっていきますし、相手の方も我々を理解してくれていくような感覚があります。

もちろん家族ではないので、全てを理解することは難しいかもしれませんが、法律専門職でありながら、ただの依頼者と受任者の関係ではない、不思議な関係性になっていくことが見守り契約の面白いところであり、魅力なのかもしれません。

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