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身寄りのない方の死後事務委任契約|依頼できることを司法書士が解説【豊橋・豊川・湖西・浜松】

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記事監修者

司法書士 太田徹

(所属会)愛知県司法書士会 会員番号2133・簡裁訴訟代理等関係業務 認定番号第1801503号・一般社団法人日本財産管理協会


(経歴)愛知県豊橋市、太田合同事務所代表司法書士。2018年司法書士登録後、司法書士法人で業務に従事し、2022年太田合同事務所を開設。『地域・思いやり✖︎webオンライン密着✖︎充実した情報』をモットーに、司法書士業務と共にWebメディア運営にも取り組んでいる。


(趣味)サッカー観戦(セリエA、プレミア、Jリーグ、ゲームでフットボールマネージャー)、子供と遊ぶこと(娘が2人います)

「自分が亡くなったあと、葬儀や身の回りの片付けは誰がしてくれるのだろう」——

配偶者や子どもがいない方、あるいは頼れる親族が近くにいない方にとって、これは避けて通れない不安です。

結論から言うと、この不安は「死後事務委任契約」を結んでおくことで解消できます。
死後事務委任契約とは、ご自身が亡くなった後に必要となる葬儀の手配や行政手続き、住まいの整理などを、生前のうちに信頼できる第三者(司法書士などの専門家も対象になります)に依頼しておく契約です。
身元保証を別の法人等に依頼されている方は、その契約で死後の実務がどこまでカバーされているかも併せて確認しておくと安心です。

この記事では、身寄りのない方が死後に直面しやすい具体的な不安と、死後事務委任契約で何がどこまで解決できるのかを、司法書士がわかりやすく解説します。

亡くなった後、身寄りのない方が直面する不安とは?

配偶者や子どもがいない、あるいは疎遠で頼りにくいという状況では、「自分が亡くなったときに誰が対応するのか」という不安は、主に次の3つに整理できます。

葬儀・納骨を誰が手配するのか

亡くなった方の葬儀は、通常はご家族が喪主となって手配します。
しかし身寄りがない場合、誰が葬儀社に連絡し、通夜や告別式を執り行い、お墓や納骨堂への納骨まで進めるのかが決まっていません。

何も取り決めがないまま亡くなると、最終的には自治体が、火葬・埋葬のみを最低限の形で行うことになる可能性があります。(墓地、埋葬等に関する法律9条)

墓地、埋葬等に関する法律|e-GOV法令検索

健康保険・年金などの行政手続きを誰がするのか

亡くなった後には、健康保険証の返却や資格喪失の届出、年金受給権者死亡届の提出、住民票の抹消手続きなど、期限が定められた行政手続きが数多く発生します。
これらは原則として親族が行うものとされていますが、頼れる親族がいない場合、誰がいつまでに手続きを行うのかが宙に浮いてしまいます。

住まいの明け渡しや遺品整理を誰がするのか

賃貸住宅にお住まいの場合は、契約の解約と部屋の明け渡し、施設に入所されている場合は利用契約の精算と居室の引き渡しが必要になります。

あわせて、家財や身の回り品の整理・処分も欠かせません。これらを担う人がいないと、大家様、不動産管理会社や施設側に大きな負担をかけてしまうことにもなりかねません。

死後事務委任契約で具体的に何を依頼できるのか?

死後事務委任契約を結んでおくことで、上記の3つの不安に対応する形で、以下のような事務を生前に依頼しておくことができます。

葬儀・火葬・納骨に関すること

  • 葬儀社への連絡・葬儀内容の手配
  • 通夜・告別式の実施(希望する形式があれば、あらかじめ契約内容に盛り込めます)
  • 火葬許可申請などの手続き
  • お墓や納骨堂への納骨、永代供養の手配

行政手続き・各種契約の解約に関すること

  • 健康保険・介護保険の資格喪失届
  • 年金受給権者死亡届の提出
  • 住民票の抹消手続き
  • 電気・ガス・水道などの公共料金の解約
  • 携帯電話・インターネット回線などの解約

住まいの引き渡し・遺品整理に関すること

  • 賃貸住宅の解約手続きと明け渡し
  • 入所していた施設の利用契約の精算と居室の引き渡し
  • 家財・遺品の整理、処分

このように、死後事務委任契約は「亡くなった後に、体を動かして行う必要がある実務」をカバーする契約です。※手続き先によっては、受任者では処分できない場合もあることから事前に確認が必要です。

どこまでの範囲を依頼するかは契約内容によって調整できますので、ご自身の状況に応じて司法書士にご相談いただくのがよいでしょう。

身元保証と死後事務委任契約は、あわせて確認しておきたい

身元保証と死後事務委任契約は、法律上はそれぞれ別の契約です。
身元保証は主に施設入所や入院の際の保証人としての役割を指し、死後事務委任契約は亡くなった後の葬儀・行政手続き・遺品整理などの実務を担うものです。

身元保証を依頼している法人等によっては、死後の実務まで一体的に対応している場合もあれば、身元保証のみを扱っている場合もあり、対応範囲は依頼先によって異なります。

すでに身元保証を依頼されている方も、死後の実務がどこまでカバーされているかを確認し、不足があれば死後事務委任契約で補っておくと安心です。

司法書士 太田徹
司法書士 太田徹

当事務所の依頼者さんの中にも「身元保証」はNPO法人、「死後の実務」は死後事務委任契約を結んだ当事務所、という形で役割を分けて備えている方もいます。役割を分担するのも、1つの団体などに依頼するのも、どちらにもメリットデメリットがありますので、慎重に検討しましょう。

子や親族がいても死後事務委任契約は必要?

「自分には子どもや親族がいるから、死後事務委任契約までは必要ないのでは」と考える方もいらっしゃいます。

司法書士 太田徹
司法書士 太田徹

ご家族がいるような方でも、必要性がある方もいらっしゃいます。例えば、配偶者がいるが子供さんがいらっしゃらなくて、配偶者の方が相続手続きを行うのに不安(認知症などの症状があり、一人で手続きを行うこと心配がある人)があるような方です。当事務所でも実際に同じようなケースで死後事務委任契約を結んでいる方がいます。

死後事務委任契約と遺言書・任意後見契約の違いは?

死後事務委任契約は、よく遺言書や任意後見契約と混同されますが、それぞれ役割が異なります。

  • 遺言書:亡くなった後、誰にどの財産を渡すかを指定するための書類です。財産の「行き先」を決めるものであり、葬儀の手配のような実務的な事務を依頼する効力は基本的にありません。
  • 任意後見契約:生きている間に判断能力が低下した場合に備えて、財産管理や身の回りの契約事務を任せておく契約です。ご本人が亡くなると契約は終了するため、死後の事務はカバーされません。
  • 死後事務委任契約:ご本人が亡くなった後に必要となる、葬儀・行政手続き・住まいの整理などの実務を依頼するための契約です。

つまり、生きている間の備えは任意後見契約、財産の行き先は遺言書、亡くなった後の実務は死後事務委任契約、という形で、それぞれが異なる場面をカバーしています。

多くの場合、これらを組み合わせて準備することで、生前から死後まで切れ目のない備えになります。組み合わせ方の全体像については、「おひとりさまの生前対策」のページでも詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。

死後事務委任契約の費用はどれくらい?

死後事務委任契約の費用は、契約書作成費用に加えて、実際に事務を行うための預託金、相続発生後に生じる実費という3つの要素で構成されるのが一般的です。

具体的な金額の目安は料金ページにまとめていますので、そちらをご確認ください。

契約までの流れは?

  1. 司法書士に相談し、依頼したい事務の範囲を整理する
  2. 契約内容(依頼する事務の範囲・費用・預託金等)を確定する
  3. 公正証書によって契約を締結する
  4. 契約内容に基づき、必要な費用を預託する
  5. ご本人が亡くなった後、契約に基づいて受任者が事務を履行する
司法書士 太田徹
司法書士 太田徹

生前対策は、一回の相談で方針が決まらないケースが多いです。自分たちの状況でどの契約、制度が必要なのか、まずは当事者の方に理解納得してもらうことが重要です。死後事務委任契約も選択肢の一つとして、考慮しながらわからない点は、司法書士などの専門家に相談してみましょう。

よくあるご質問

死後事務委任契約は、何歳から結べますか?
年齢に法律上の制限はありません。判断能力があるうちであれば、いつでも契約を結ぶことができます。
施設に入所した後でも契約できますか?
可能です。入所前・入所後のどちらのタイミングでもご相談いただけます。
契約後に、依頼する内容を変更することはできますか?
契約内容を見直すことは可能です。状況の変化に応じて司法書士にご相談ください。

身寄りのない方の生前対策、どこに相談すればいい?

死後事務委任契約は、ご本人の状況に合わせて依頼する範囲を柔軟に決められる契約です。
何をどこまで依頼すべきか迷う場合は、まずは司法書士に実際の状況をお話しいただくのが近道です。

当事務所では、豊橋・豊川・湖西・浜松エリアを中心に、死後事務委任契約を含む生前対策のご相談を承っています。

まとめ

身寄りのない方にとって、「亡くなった後の実務を誰が担うのか」という心配は、死後事務委任契約を結んでおくことで解消できます。

遺言書や任意後見契約とあわせて準備することで、生前から死後まで切れ目のない備えが可能になります。まずはお気軽にご相談ください。

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